ブルーレイク消化器内科クリニック

ヘリコバクターピロリ菌あれこれ①

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ヘリコバクターピロリ菌あれこれ①

ヘリコバクターピロリ菌あれこれ①

2025/06/01

今回のテーマはヘリコバクターピロリ菌について何回かに分けて解説していきたいと思っています。

 

・ピロリ菌って?

ピロリ菌は胃の粘膜に生息しているらせんの形をした細菌でヘリコバクター・ピロリといいます。
胃内では胃酸があって、従来は、細菌も存在できないと考えられていました。しかし、最近の研究により、胃の中でも存在できる、ピロリ菌という細菌がいることがわかりました。
ピロリ菌は、ウレアーゼという酵素を出して、自分の周りにアルカリ性のアンモニアを作り出すことで、胃酸を中和しながら、胃の中に存在しています。

 

・どうやって感染する?どういう人が感染しやすい?

感染経路としては、経口感染するのではないかと考えられています。具体的には、ピロリ菌に感染している大人から赤ちゃんに口移しで食べ物を与える、糞便に汚染された食物・水の摂取などが考えられます。

また、衛生環境がピロリ菌感染に関係していることがわかっています。そのため、発展途上国においてピロリ菌感染者が多く認められます。日本においては60歳以上(1960年代生まれ以前)の60~80%が感染しているとされていますが、衛生環境の改善に伴い若年層の感染率は減少傾向にあり、10代以下(2010年以降生まれ)の感染率は10%以下といわれています。

ピロリ菌に感染する時期としては、ほとんどの場合、免疫機構が十分に発達していない乳幼児、特に4歳以下であるといわれています。

 

・ピロリ菌に感染するとどうなる?

ピロリ菌の感染によって胃に炎症が起こり、感染が長く続くと慢性胃炎になります。
この慢性胃炎をヘリコバクター・ピロリ感染胃炎と呼びます。
ピロリ菌に感染しても、初期のうちは特徴的な自覚症状がないことがほとんどです。しかし、感染したまま放置しておくと、胃粘膜の萎縮や腸上皮化生が起こり、ピロリ菌に感染した患者さんの一部から胃がんが発生することがわかっています。

また、長期間罹患していると、やがて胃のむかつき、胃の痛み、吐き気などの自覚症状が認められることもあります。この他にも、MALTリンパ腫といった血液の病気を引き起こしてしまうこともあります。

胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化性潰瘍は、ピロリ菌感染者の10~15%程度が発症するといわれています。また、ピロリ菌に感染し数十年の経過を経ると、3~5%程度が胃がんを発症するといわれています。

逆説的ではありますが、胃がんになる人の大半がピロリ菌が原因という風に考えられています。現時点での症状の有無ももちろん重要ではありますが、ピロリ菌の検索や治療の意味合いとして一番は胃がんになるリスクを下げること、また癌に進展しても早期発見をして根治的に治療するということを最も重要視しています。

 

今回はこの辺で・・・

引き続きピロリシリーズを解説していきます。

 

 

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