ブルーレイク消化器内科クリニック

ヘリコバクターピロリ菌あれこれ②

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ヘリコバクターピロリ菌あれこれ②

ヘリコバクターピロリ菌あれこれ②

2025/06/07

・ピロリ菌を保険診療で受ける一連の流れ

ピロリ菌検査や除菌治療の費用は保険適用だと思われがちですが、検査の結果や受ける順番によっては、保険適用では無く自費になることがあります。そして、その保険が適用されるには、ピロリ菌検査を受ける前に胃カメラ検査を受けることが必須の条件となります。つまり、保険診療でピロリ菌検査や除菌療法を行うには必ず胃カメラ検査が絶対的に必要となります。

また、検査や治療の時期も決められており
・ピロリ菌検査や除菌治療を行う半年以内前に胃カメラ検査を受けている
・胃カメラ検査でピロリ菌感染による慢性胃炎(萎縮性胃炎)が確認されている
といった条件が必要となってきます。数年前に胃カメラを受けたことがある・・・という理由では保険診療で除菌ができないことになるわけです。


さらに除去治療の手順は下記の通りです。
・胃カメラ(内視鏡)検査を受ける
・慢性胃炎(萎縮性胃炎)と診断される
・ピロリ菌検査を行う
・ピロリ菌検査で陽性判定
・ピロリ菌除菌治療を行う

ルールが満たされない場合や手順を守っていない場合は保険診療になりませんが、ピロリ菌検査は人間ドックのオプションなど自費で受けることは可能です。
 

 

・ピロリ菌の検査方法

ピロリ菌感染を調べる検査はさまざまで、施設によって実施される検査が異なる場合があります。大まかには、胃カメラを必要とする検査と、しない検査に分けられます。

【胃カメラを使用する検査】

内視鏡により胃の粘膜を採取 (生検) し、その検体を用いて迅速ウレアーゼ試験、鏡検法、培養法といった方法を用いて検査を行います。

<迅速ウレアーゼ試験>

ピロリ菌が持っているウレアーゼという酵素が試薬内の尿素を分解してアンモニアを生じさせることを利用した方法です。生じたアンモニアによりpH指示薬に色調変化がおこり、ピロリ菌が感染しているかどうかを短時間で判定することが可能です。

<鏡検法>

採取した胃の粘膜にさまざまな染色を行い、顕微鏡下でピロリ菌を検索するとともに組織学的な評価を行います。

<培養法>

検体をすりつぶして5~7日程度培養し、ピロリ菌がいるかどうかを調べます。鏡検法や培養法は菌そのものを確認できる利点はありますが、採取した部分にピロリ菌がいない場合には偽陰性となることもあるため注意が必要です。

【胃カメラを必要としない検査】

尿素呼気試験、抗体測定、糞便抗原測定があります。

<尿素呼気試験>

検査用の薬を服用する前と後に呼気を採取する簡便かつ精度の高い検査です。

<抗体検査>

血中や尿中のピロリ菌に対する抗体を調べます。採血で血液中のピロリ菌の抗体(タンパク質)を測定し、ヘリコバクターピロリ菌感染の有無を調べる検査です。
ただし、一度でもピロリ菌に感染したことがあればピロリ菌抗体陽性と判定されるので、感染の時期が過去なのか現在なのかを明確には判断できません。

<糞便抗原測定>

糞便中のピロリ菌抗原の有無を調べる検査です。

 

どうして一つの診断に対してこれだけの種類の検査法があるかというと、それぞれの検査において正確に診断できない要因や検査自体に制限がかかってしまうケースがあるからです。

胃カメラを用いた検査は胃カメラをすることが大前提となりますので勿論のことですが、カメラを必要としない検査も尿素呼気試験は制酸薬(胃酸を抑える薬)を内服していると検査値が正確に出なかったり、抗体検査では除菌治療後すぐの効果判定として適していなかったりと様々な制約があります。

当院では鎮静下で胃カメラを受けられる方はあらかじめ、点滴採取時に血液採取させていただいており、必要に応じて血中抗体検査をまず提出させていただいております。追加検査や除菌療法後の効果判定には糞便抗原測定で判定させていただいております。

 

今回はここまでで、次回は治療や経過観察の方法について解説していきたいと思います。

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