プラセンタ注射 (メルスモン注射、ラエンネック注射):胎盤絨毛分解物注射液

プラセンタとは

プラセンタ(placenta)とは、胎盤の生理活性成分を抽出した医薬品です。プラセンタには、アミノ酸、ビタミン、ヒアルロン酸など生体の維持に必要な多くの栄養素などが高濃度に含まれています。胎盤から抽出したエキスを取り入れる事によって、更年期障害や免疫力・抵抗力の向上、冷え性、肩こり、シミ、くすみ、肌荒れ、ニキビ、月経困難症、生理不順、アレルギー疾患、美白・保湿などの美肌効果、細胞の若返り効果などが期待されます。現在医療用に使われているプラセンタ注射はメルスモンとラエンネックという薬剤が使用されています。

メルスモンは加水分解法という製法で作られています。プラセンタの細胞膜を強酸で分解し、エキスを抽出する方法です。また、メルスモンはベンジルアルコールという痛み止めの成分が含まれているため、注射時の痛みが少ないというメリットがあります。メルスモンは更年期障害や乳汁分泌不全の治療に使用されてきた歴史があります。

ラエンネックは分子分画法で製造されています。必要な成分のみを特殊なフィルターを使って抽出する方法です。有効成分を壊さずにとりだすことができます。1本(2 ml)あたりの胎盤含有量は、ラエンネックのほうがメルスモンよりも10%ほど多くなっています。ラエンネックは添加物として、PH調整剤、ペプシン、乳糖等が含まれています。

副作用として、これらの添加物アレルギー反応、また、ごく稀に頭痛が起きることがあります。ラエンネックは肝機能障害の治療に使用されてきた歴史があります。

メルスモンとラエンネックの違い

ラエンネック メルスモン
製法 分子分画法 加水分解法
胎盤エキス量 112mg/2ml 100mg/2ml
添加物 ペプシン、乳糖 ベンジルアルコール
注射時の痛み やや痛い 弱い

製法

ラエンネックは「分子分画法」で製造されています。必要な成分だけをフィルターを使って抽出しています。メルスモンは「加水分解法」という製法で作られています。プラセンタの細胞膜を強酸で分解し、エキスを抽出する方法です。

胎盤エキス量

1アンプル(2ml)あたりの胎盤含有量は、ラエンネックのほうがメルスモンよりも10%ほど多くなっています。

添加物

ラエンネックとメルスモンでは添加物が異なります。体質的にこれらの添加物にアレルギー反応を起こす方が稀にいらっしゃいますので、痒みや発疹などアレルギー症状が出現した場合は薬剤を変えるなど対策を行います。

痛み

ラエンネックのほうがメルスモンよりも酸性度が高く、注射時の痛みが強いという報告があります。またメルスモンはベンジルアルコールという痛み止めの成分が添加物として含まれているため、注射時の痛みが少ないです。

効果

疲れに効くのはラエンネック、美容に効くのはメルスモンという情報も目にしますが、両者の効果に大きな違いはないと報告されています。

保険適応かどうか

女性の更年期障害への治療には「メルスモン」のみが保険適応となっております。自費診療でプラセンタ注射をご希望の方は、メルスモン・ラエンネックどちらでもお選びいただけます。

当院では、美容目的での自費診療で投与される方で、保険適応外である方でも今後保険診療に移行される可能性のある方にはメルスモン、移行されない方にはメルスモン・ラエンネックのどちらでも選択いただけるよう提案していますが、基本的には初回投与していただいた薬剤を以後も変更することなく継続していただくよう勧めております。

保険適応について

45歳~59歳の更年期障害を患っている女性は、更年期障害の治療として週3回まで(※1回1アンプル)保険適用で注射を打つことができます。

保険診療での費用について(メルスモン)

初診のみ 1,500円程度
2回目以降 1回の受診につき500円程度

診療費について(自費診療の場合)

初診料2,000円(税込)、二回目以降の再診料500円(税込)

※ラエンネック、メルスモン共に
1アンプル 1,100円(税込)
2アンプル 2,000円(税込)

注意事項

投与方法は皮下注射もしくは筋肉注射のみとなります。前腕(二の腕)や腹部、臀部に打つことが多いです。
プラセンタは3~4日で効果がなくなると言われており、定期的に打つことをお勧めしております。最初の1ヶ月は週に1回程度、その後は1~2週に1回程度が良いとされています。
効果効能や体調が良くなってきたら、その後はご自分の体調に合わせてご利用ください。
共通の副作用として、注射部位の発赤や腫脹、掻痒、悪寒、悪心、発熱、アレルギー症状などを起こすことがあります。製品には、ヒトの胎盤が使用され、さらにウイルスや細菌の活動を抑える目的で加熱処理が加えられているため、今まで大きな副作用の報告は見られていません。ただし、プラセンタ注射はヒト胎盤由来医薬品のため、それ以降の献血はできず、臓器提供も原則として控えることが求められており、これらをご同意いただける方にご提供いたしますのでご了承ください。

ビタミン注射

ビタミン注射とは

主成分がビタミンB群(B1、B6、B12)やビタミンCからできている直接血管内に投与する治療の一種です。いわゆるにんにく注射と呼称される治療法です。滋養強壮作用が強く、疲れやだるさ、倦怠感の回復に効果を示します。主成分はにんにくと同じビタミンB1で、体内のエネルギー代謝を活発にすることで、筋肉や神経などの働きを改善し、エネルギーを作り出す機能が活発になります。神経痛、筋肉痛、関節痛、末梢神経炎など様々な症状に有効です。経口サプリメントよりもにんにく注射のような、血管内に直接投与することで即効性を示すと言われています。

水溶性ビタミン配合剤ですので、副作用の報告はほとんどありませんが、稀に薬剤に対するアレルギー(アナフィラキシー)や嘔気(にんにく臭による)や発疹、掻痒感、胃痛、頭痛、内出血(点滴)などを起こすことがあります。また、注射の時に、にんにくのような匂いを感じますが数時間のうちに無くなり、長時間にわたりにんにく臭くなる事はありません。

期待される効果

倦怠感、食欲不振、皮膚トラブルなどの症状改善

疲労回復、筋肉痛、肩こり、冷え症、腰痛、関節痛、ニキビ、肌荒れ、口内炎、二日酔いなどに即効性

体力の回復、リフレッシュしたい、病み上がりの時、元気に仕事をしたい時

こんな方におススメ

  1. ①疲れやだるさから短期間で回復したい
  2. ②風邪症状から早く脱却したい
  3. ③免疫力を高めたい

診療費について

ビタミン注射は保険適応外治療です。(保険診療の対象外です)

初診料2,000円(税込) 二回目以降の再診料500円(税込)

主な成分 効果 費用
ビタミンB注射(1回) ビタミンB 睡眠不足、疲れがとれない、体がだるい方 2,000円(税込)
ビタミンB+C注射(1回) ビタミンB、ビタミンC 不摂生が続いている、栄養が偏りがちな方 2,500円(税込)

注意事項

注射時、にんにく臭による吐き気を感じる方がいらっしゃいますが、一時的です。治療後に匂いがするといったことはありません。
個人差はありますが、注射部位の血管痛を訴える方がいらっしゃいます。
過去にアレルギー経験のある方は担当医にご相談ください。その他、重度基礎疾患のある方は施行できませんので、あらかじめご了承ください。

AGA(AndrogeneticAlopesia)

AGAとは

AGA(androgenetic alopecia)とは男性ホルモン型脱毛症のことで、多くは成人男性が発症する進行型の脱毛症で、男性ホルモンの関与によりゆっくりと薄毛・抜け毛が進行する疾患です。これらは、治療により進行を止めることが可能であり、早めに治療を開始すると治療効果を得やすい傾向にあります。
主な原因と言われているのがジヒドロテストステロン(DHT)という男性ホルモンで、当院ではこのホルモンの生成を阻害するAGA治療薬での薬物治療を行なっております。保険適応ではないため、全額自費負担となります。また、治療効果を得られるようになるまで少なくとも半年間はかかりますので、地道な継続治療が必要となります。

診察料について

AGA治療薬は保険適応外治療です。(保険診療の対象外です)
初診料2,000円(税込) 二回目以降の再診料500円(税込)

フィナステリド 1mg 28錠入り 6,200円(税込)
デュタステリド 0.5mg1箱30錠入り 7,500円(税込)

フィナステリドは5αリダクターゼII型を阻害することで、DHTの生成を阻害し、AGAの進行抑制の効果が期待できます。デュタステリドは5αリダクターゼI型とII型の両方を阻害することで、より強力にDHTを阻害します。AGAの改善効果が期待できます。

副作用について

フィナステリド:リビドー減退、勃起機能不全、射精障害、精液量減少、過敏症、そう痒症、じん麻疹、発疹、血管浮腫、口唇腫脹、舌腫脹など

デュタステリド:過敏症、蕁麻疹、アレルギー反応、発疹、そう痒症、限局性浮腫、血管浮腫、リビドー減退、浮動性眩暈、抑うつ気分、味覚異常など

シミ・美白治療

トランサミンとは?

トランサミンは、湿疹、じんましんにおける赤みやかゆみ、炎症によるのどの痛みや腫れ、口内炎の治療などに使われる飲み薬。美白効果が期待できることから、シミ治療薬としても使われています。錠剤、カプセル、粉などさまざまな形があります。
一般名(成分)はトラネキサム酸であり、これは人工的に合成したアミノ酸です。
また、ジェネリック医薬品の「トラネキサム酸」もさまざまなメーカーから販売されています。

トランサミンの効果とは?

トランサミンには、プラスミンというタンパク質の働きを抑制する作用があります。この作用によって、シミ予防・改善や、止血、抗炎症効果などが期待できます。詳しく見ていきましょう。

シミ予防・改善効果

プラスミンは、シミの原因となるメラニンをつくる、メラノサイトという細胞を活性化します。そのため、トランサミンがプラスミンを抑制することで、シミ予防につながるのです。
また、後述する抗炎症効果によって、今あるシミ改善にも効果が期待できます。

止血効果

プラスミンには、血液が固まるのを防ぐ働きがあります。そのため、トランサミンがプラスミンを抑制することで、止血効果が期待できます。

抗炎症効果

プラスミンは炎症やアレルギーにもかかわりがあり、トランサミンがプラスミンを抑制することで、抗炎症効果が期待できます。

トランサミンは肝斑に高い効果が期待できる!

肝斑とは、主に頬のあたりに左右対称に現れるしみのことです。輪郭がはっきりせず、薄い褐色のシミがもやっと広がっているのが特徴です。発生には女性ホルモンが関係していると考えられています。
そして、この肝斑に対してもトランサミンの効果が期待できます。シミと同じようにメラノサイトにはたらきかけてくれるためです。

なお、一般用医薬品においては、トラネキサム酸の肝斑に対する効能が認められています。

トランサミンの飲み方

トランサミンは、750~2000mgを1日3~4回に分けて飲むことが一般的です。

トランサミンのシミ予防・改善効果はいつ出る?

1日3回飲み続けた場合、効果が実感できるまでには2~6週間ほどかかると言われています。すぐに効果が出るわけではないので、継続することが大事です。

トランサミンの副作用

トランサミンの副作用のリスクとしては、食欲不振、悪心、嘔吐、下痢、胸やけなどの消化器症状の他、眠気、かゆみ、発疹、血栓形成のリスク増などが挙げられます。これらの発生頻度は多くて1%未満なので、過度に心配する必要はありません。
また、重大な副作用として痙攣が挙げられますが、こちらも稀です。

トランサミンの処方に注意が必要な方

体質や持病によっては、トランサミンの処方に注意が必要な方がいます。以下に当てはまるような方は必ず医師に相談してください。

  • 脳梗塞、心筋梗塞になったことがある
  • 血液凝固障害がある
  • 腎不全になっている
  • 妊娠、妊娠している可能性がある

併用できない薬

併用が禁止されている薬(禁忌)は、トロンビンという止血剤です。トランサミンと同じく止血効果があるため、効果が過剰になって血栓ができやすくなるためです。

また、併用に注意が必要な薬には、ヘモコアグラーゼなどの止血剤、エプタコグアルファ(血友病などにおける出血を抑制するお薬)、バトロキソビン(血流をよくするお薬)があります。いずれも、血栓ができやすくなるといったリスクがあります。

止血剤にはトラネキサム酸が含まれていることがあり、併用すると投与量が過剰になってしまうこともあります。
また、ピルを飲むと血栓症のリスクがやや上がるため、当院ではピル内服されている方には処方をお断りさせて頂いております。

診察料について

初診料2,000円(税込) 二回目以降の再診料500円(税込)
トラネキサム酸をはじめ、シナール配合錠、ユベラ錠、ピドキサール錠、チョコラA錠、ビオスリー錠などのビタミン剤・整腸剤を各種併用し、解消したい悩みに合わせて処方します。
3,500円~4,500円(税込)

医療痩身

GLP-1とは?

人の小腸から分泌されるホルモンの1つです。
誰でも体内に持つホルモンであり、血糖値を安定させるインスリンの分泌を促します。2型糖尿病の治療薬としても広く使用されているのがGLP-1です。
膵臓に作用して血糖のコントロールをする以外にも、胃から腸への排出を遅らせたり、食欲中枢に働きかけます。
その結果、食欲を抑えたり、基礎代謝を上げたり、脂肪を分解させやすくするなど、肥満治療(ダイエット)にも有効であり注目されています。

GLP-1の特徴

食欲が抑えられ少ない食事量で満足できることです。
ダイエットで最も厳しいものの一つに食事制限があります。
限られた期間内では食事制限が可能かもしれませんが、努力が必要ですから続けることは困難でしょうし、食事制限できなければリバウンドの原因にもなります。
GLP-1ダイエットなら、食欲が落ちるため食事を我慢する精神的ストレスからも解放され、過度な食事制限を努力して行うことなく、食事を楽しみながらダイエットすることが可能です。

内服薬

内服薬の特徴

ダイエット内服薬(GLP-1)のリベルサスは、GLP-1受容体作動薬の一種で減量に有効とされる「セマグルチド」を主成分とする経口投与タイプのお薬です。

1日1回、1錠を飲むだけ。
飲み薬なので抵抗感が少なく始められます。
急がずじっくりとご自身のペースで体重を落としていきたい方に向いています。

内服薬の飲み方
  1. 必ず空腹時、1日の最初の食事の前に服用ください。起床時がおすすめです。
  2. 水120cc(コップ半分)以下で服用してください。※水の量が多いと薬の効果が薄れます。
服用時の注意事項

1日1回1錠の服用を厳守してください。飲み忘れがあった場合でも決して1度に2回分を飲まないでください。
服用後少なくとも30分は飲食、他薬の服用は避けてください。食事をした場合、薬の効果が薄れます。
お薬が湿気や光の影響を受けやすいため服用直前にシートから取り出してください。

リベルサス

注射薬

週に1回皮下注射

マンジャロは週に1回皮下注射します。忘れないように毎週同じ曜日に投与しましょう。
1週間長く作用する薬剤ですので、朝昼晩いつでも投与可能で、食事のタイミングを問いません。
自動注入機能搭載で初めての方でも簡単に投与していただけます。
注射針・薬剤はあらかじめセットされており、針の付け替え・空打ちは不要です。
安全キャップを外し、注射部位に当ててロックを解除して注入ボタンを押すだけで注射は完了します。

マンジャロは週1回2.5 mgの導入用量から投与を開始します。
週1回2.5 mgを4週間続けた後、週1回5 mgの維持用量に変更します。

マンジャロ マンジャロ マンジャロ

保管方法

マンジャロは注射製剤であり、保管方法が重要です。ペプチドホルモンですので、高温・直射日光などによって失活して薬剤が無効になってしまうおそれがあります。
基本は冷蔵庫に保管して注射時に取り出すとは思いますが、持ち出すとしても高温になる車内に放置などはしないようにしてください。
必ず適切な状態で保管をしてください。

冷蔵庫に(2〜8℃)に保管
冷蔵庫が使用できない場合は、室温(30℃以下)で21間保管可能
凍結させないでください。
高温や直射日光を避けて保管

GLP-1の効果

  • GLP-1の効果で自然に食欲が落ちる、少量の食べ物で満足
  • 胃腸の動きを抑制するため、満腹感が持続
  • 脂肪分解を促進し、熱産生を増やす
  • 太りにくい体質に改善
  • 自然減量後も、リバウンドしにくい

こんな人におススメ

  • 食べるのを我慢するのが苦手な方
  • 運動が嫌いな方
  • ダイエットが続かない方
  • リバウンドしやすい方
  • 痩せにくい体質の方

注意事項

リスク・副作用

悪心、嘔吐、便秘、下痢、胃酸過多などの胃腸障害。その他、脱力感、眩暈、腹痛 等

悪心・嘔吐の症状に関しては初期段階で出やすい症状ですが徐々に改善傾向となります。

禁忌事項

  • GLP-1製剤に対し過敏症の既往のある方
  • 妊娠中、授乳中、または妊娠の可能性のある方
  • 腹水や浮腫がある方
  • 透析療法を受けている方

適応注意

  • 膵臓に異常のある方
  • がんの治療中、治療直後
  • 心機能、腎機能、肝機能が低下している方
  • 自己免疫疾患のある方

上記注意事項があるため、当院では糖尿病の治療中の方、膵臓に異常のある方、癌の既住歴がある方又は治療中の方、妊娠中の方、産後3ヶ月以内の方(中絶・流産含む)、極度に痩せている方は治療をお受けいただけません。

診療費について

初診料2,000円(税込) 二回目以降の再診料500円(税込)

リベルサス(内服薬) 税込
3mg(2週間分/15錠) 6,700円
3mg(4週間分/30錠) 13,000円
7mg(2週間分/15錠) 10,800円
7mg(4週間分/30錠) 21,000円
14mg(2週間分/15錠) 16,500円
14mg(4週間分/30錠) 32,500円
マンジャロ(注射薬) 税込
2.5mg(2週間分/2本) 10,000円
2.5mg(4週間分/4本) 18,000円
5mg(2週間分/2本) 20,000円
5mg(4週間分/4本) 45,000円
14mg(2週間分/15錠) 16,500円
14mg(4週間分/30錠) 32,500円